島のり・はんばのり

厳しい自然がくれた海のごちそう

冬の季節、島には西風が強く吹きつけ、海も荒れることが多くなり、海岸のあちこちの岩に、“島のり”、“はんばのり”などが見られるようになります。

すると、岩場に付いたのりを丁寧に摘み取る姿を目にするようになります。

天然食材である島のり、はんばのりは厳しい自然が生んだ島のご馳走です。

海の大豆と呼ばれるほど、栄養満天!

島のりやはんばのりなどの海草はカルシウム、鉄分を多く含み、栄養的に優れている反面、エネルギーはないのでダイエット食に最適。また、血液中のコレステロールやブドウ糖の上昇を抑える働きをする食物繊維がたっぷり含まれているのでコレステロールの高い方や糖尿病治療中の方にもお勧め。

厳しい自然が育んだのりは栄養バランスに優れた美味しい健康食品なんです。

テマヒマかかるから、美味しさも倍増!

岩にべっとりと付いたのりは、素手で摘み取るのは難しいので専用の道具を使います。さらに岩場は滑りやすく、周辺の波の状況にも気を配らないと波をかぶったりすることもあったりで、なかなかの重労働。

また、ガツガツひっかくようにのりを摘み取るので細かい岩等、ごみが付着しているので、よく洗って丁寧にごみを取り除きます。

ごみをきれいに取り除いたら、細かく刻んで水でとき、海苔簾へ同じ厚さになるように丁寧に流し込みます。その後、天日干しして乾燥させれば完成。島のりづくりはとても手間のかかる作業なのです。

香り豊か。風味豊か。だからシンプルに

島のりは磯の香りや風味、厚みのあるパリッとした食感、そして口いっぱいにひろがるうま味が特徴。それを最大限にひきだす為に火で炙ってから食べるのが一番。

色が変わるくらい火で炙ってからそのままおにぎりでいただいたり、揉んで細かくしてから、明日葉のおひたしやお味噌汁にかけたり、お酒のおつまみにそのまま食べても美味しいです。

はんばのりだって美味しい!

島のりとともに島の人に愛されているはんばのり。はんばのりは椿油やごま油で明日葉とともに油炒めにしたり、炊き込みご飯や炒めたはんばのりをご飯に混ぜて食べる“はんばご飯”など、磯の風味とうま味が溢れる、何杯でもおかわりしたくなる美味しさ。

島のスーパーや飲食店で見つけよう

冬の時季になると、島のりは地元のスーパーや商店、飲食店等で見かけるようになります。

天然ものの為、島のりは大量に採ることが難しく、加工も手作業により、手間がかかる為、常時扱っていることは少なく、お値段もなかなか高価です。それだけ貴重で美味しい食材なんです。

島の人がコツコツと摘み取ってテマヒマかけて作った“島のり”、見かけた際は是非、ご賞味ください。貴重な島のごちそうです。